◆しみの種類
・老人性色素斑:いわゆるしみで、盛り上がりがなく平坦、円形です。加齢や紫外線が主な原因です。
・脂漏性角化症(老人性疣贅):表皮の角質が厚くなるためやや盛り上がりのあるいぼの一種です。
ゆっくり年数をかけて褐色から黒くなっていきます。老人性色素斑と合併していることもあります。加齢や紫外線が主な原因です。
・雀卵斑(じゃくらんはん):別名そばかすのことで、頬や顔全体にできる細かい点状の色素斑です。紫外線のほかに遺伝的な要因も影響します。
・肝斑(かんぱん):30代以降の女性の主に頬骨の部分に左右対称性にみられるしみです。下まぶたの皮膚にはみられないのが特徴です。一般的にはホルモンバランスの乱れによってメラニンが活性化したために生じるといわれています。レーザー治療では、逆に色が濃くなってしまうしみです。
・炎症後の色素沈着:にきびの炎症が治まった後や、すり傷・やけどなど外傷後に残るしみの色です。
しみの治療には、その種類を正確に診断して、的確な治療法を選択することが大切です。
当院では、適切な治療法を患者様の生活習慣や社会的背景も考慮して提供いたします。
◆しわの原因
しわには2種類があり、静的なしわ(無表情の状態にあるしわ)と動的なしわ(表情を作るとできるしわ)があります。
皮膚内に存在するヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチン等が老化によって失われていくと、皮膚が薄くなるのと同時に弾力も減り、部分的に落ち込みが生じて静的なしわが形成されます。また、皮膚が薄くなり弾力が減ってくると、表情筋を動かすことで皮膚に動的なしわが生じ、その動的なしわの繰り返しがほうれい線、眉間、目尻、額等の静的しわへと変化していきます。当院では、形成外科専門医ならでは目から、一人一人の静的なしわと動的なしわを立体的に評価し、最適な若返り療法をご提供します。
◆たるみの原因
肌にはヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン等の成分が存在します。それらの成分が老化により失われていくと皮膚が薄くなり、弾力も減り、重力に逆らえなくなりたるみが発生します。また、老化とともに頭蓋骨の萎縮や顔の皮膚・脂肪・筋肉を支持している靭帯の弛みも加わることでのたるみも生じます。
当院では、たるみの症状に合わせ、最適で効果的な治療法をご提案いたします。
毛穴の開大は毛穴の入り口が広がった状態です。原因は皮脂の過剰分泌で押し広げられたり、表面の角質肥厚などで起こります。ニキビ跡の瘢痕形成によっても起こります。皮脂が溜まって表面で酸化したり角質肥厚で黒ずんで見えたりもします。また、皮膚の乾燥や加齢によっても生じます。
治療は、角質肥厚が原因の場合は ケミカルピーリングを行います。
ニキビ跡の瘢痕形成は,フラクショナルレーザーで治療を行います。
乾燥の場合は、保湿剤の処方や洗顔・生活指導をおこないます。
加齢による場合は、軽度の症例ではフォトフェイシャルで毛穴のひきしめ効果のみならず、肌をよりきめ細かくできます。中等度以上はフラクショナルレーザーを用います。
思春期を過ぎても繰り返し治らない、思春期以後に発症するニキビが増加しています。思春期のニキビは成長期における一時的なホルモンバランスの乱れによる皮脂の過剰分泌が原因ですが、大人のニキビはストレスや生活環境因子など様々な要素が原因となります。
どちらも早期に治療を行うことでニキビ跡をなるべく残さずに改善することができます。
ニキビの原因・症状は3点あげられます
「毛穴のつまり」 「皮脂の分泌増加」 「ニキビ菌の増殖」
ニキビの治療
ニキビの原因や症状に応じて複数の方法を組み合わせた治療を行います。
健康保険の治療と自費診療の二つに分けられますが、両方を組み合わせることは混合診療になるため認められていません。
保険治療
症状に合わせて、毛穴のつまりを改善する外用剤、ニキビ菌の増殖を抑える外用剤や抗生物質の内服薬等を処方します。同時に食事指導、生活指導を行います。
自費診療
症状に合わせて、ケミカルピーリング、フラクショナルレーザー、フォトフェイシャル 等を提供します。
ニキビ跡の治療
赤み、色素沈着を改善する治療: フォトフェイシャル、 ケミカルピーリング
ニキビ痕(毛穴の開大、クレーター)の治療: フラクショナルレーザー
タトゥーの除去
①外科的手術 ②レーザー治療
①単純に皮膚ごとタトゥーを切除して縫合閉鎖し、タトゥーを除去します。一回の治療で消せますが縫合した線状の傷が残ります。1回で単純切除できない面積の場合は、数回に分けて切除していく方法もありますし、広範囲の場合は切除して皮膚移植をする方法もあります。
②Qスイッチルビーレーザーを照射して色を薄くしていく方法です。外科的手術とちがって皮膚に手術痕が残らないのが利点ですが、タトゥー色素の量により治療回数が複数回必要なのと、ルビーレーザーは赤色や黄色に反応が悪いのが欠点です。レーザー治療でタトゥーの色が消失しても周囲の正常皮膚とまったく同じ色にならないでタトゥーの模様が分かる場合があります。この時は、炭酸ガスレーザーを使って境目をぼかす治療を追加することもあります。
*タトゥーの治療は、どの方法でも健康保険は適用されません。自費になります。
ホクロ(母斑細胞母斑。・色素性母斑)の治療は、隆起しているか平坦かによって治療法に違いがあります。また、部位や大きさによってレーザーや手術で切除する方法を選択します。
・隆起したホクロ
炭酸ガスレーザーを用いてホクロの細胞ごと蒸散除去します。除去には局所麻酔処置を要します。治療での出血はほとんどありませんので当日より洗顔も可能です。大きさにより1週から2週程度、創部に軟膏処置と絆創膏保護が必要になります。治療回数は通常1回です。
隆起したホクロの一部は、その部位(まぶたや小鼻の横など)・大きさにより切除・縫合を行う場合もあります。
・平坦なホクロ
隆起したホクロ同様に炭酸ガスレーザーを用いて蒸散除去する方法と、ルビーレーザーを用いる方法があります。
ルビーレーザー光には、皮膚にダメージを与えずにメラニン色素に吸収され色素を破壊する特性があります。このルビーレーザーを用いてホクロの色素だけを壊して色をうすく失くすことが可能です。治療後は当日のみ軟膏と絆創膏処置を行います。洗顔は当日夜から可能ですし、翌日からはメイクも可能です。但し、炭酸ガスレーザーの蒸散治療が1回なのに対し、ルビーレーザー治療はその色素の量によって複数回要することがあります。
また、悪性を疑う場合や組織を鑑別したい場合には、外科的に切除して病理組織検査を行います。
ホクロのレーザー治療は、自費診療になります。手術で切除する場合は健康保険が適用されます。
いぼの治療
「いぼ」は、皮膚に生じたできものの総称・俗語で、老人性疣贅(脂漏性角化症)、ミリウム(稗粒腫)、汗管腫、脂腺増殖症、軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ)、ウイルス性疣贅(尋常性疣贅、扁平疣贅、尖圭コンジローマ)、水いぼ(伝染性軟属腫)等があります。
それぞれ、治療法は異なりますので的確に鑑別診断し、適正な治療を行う必要があります。
・老人性疣贅(脂漏性角化症):表皮細胞が増殖して盛り上がるいぼで、皮膚のどこにでも生じますが、顔面特にコメカミに多く生じます。中高年層に多く見られ、ゆっくりと年数をかけて褐色から黒くなっていきます。早期には平坦で老人性色素斑(しみ)と鑑別を要する場合もあります。痒みをともなうこともあります。進行すると真っ黒い碁石を皮膚に貼り付けたようになることもありますが、悪性化することはありません。痒みを伴う場合や整容的問題等で治療適応となります。
治療は、液体窒素を用いた凍結療法や炭酸ガスレーザーで表皮ごと蒸散剥離除去します。液体窒素による凍結療法は複数回要することが多く、治療回数が多いほど治療後に色素沈着を生じる可能性が高くなります。顔面や手背等露出部に生じた場合は、炭酸ガスレーザーを用いて1回で治療を完結することをお勧めしています。保険が適用される治療ですが、整容的レーザー治療は保険適用外になります。
・ミリウム(稗粒腫):顔面特に眼瞼、頬に好発する1~3mm大の白色あるいは黄白色調の硬い丘疹で、ケラチンを含む嚢腫です。
治療は、注射針や炭酸ガスレーザーを使って、小さく切開し内容物を圧出します。
・汗管腫:エクリン汗腺器官の増殖による良性腫瘍で、下眼瞼に好発します。径2~3mmの小結節が多発します。
治療は、局所麻酔下に炭酸ガスレーザーを使って削切します。上手く切除しないと再発しやすく、上皮化後の創部の赤みがなかなか消失しないのがこの治療の難しいところです。
・脂腺増殖症:顔面の前頭、頬に好発する弾性硬の黄色扁平丘疹です。毛穴にある脂腺が過形成して生じます。
治療は、局所麻酔下に炭酸ガスレーザーを使って削切します。治療後は、創部が収縮治癒するのに1~2週を要します。
・軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ):頚部(首)、腋窩(ワキ)、鼠経(ソケイ)等に多くは多発性に発生する良性腫瘍です。軟らかく皮膚が隆起し、ドーム型~有茎性で常色~淡い褐色を呈します。糸状(2~3mm)に多発するアクロコルドン・スキンタッグ、やや大きな(5~10mm)なものを軟性線維腫、さらに大きくなり垂れ下がったものを懸垂性線維腫と区別し呼称する場合もあります。
治療は、小さいものは、液体窒素の凍結療法や炭酸ガスレーザーで蒸散除去します。大きくなると局所麻酔下に外科的切除を必要とします。
・ウイルス性疣贅(尋常性疣贅、扁平疣贅、尖圭コンジローマ):ヒトパピローマウイルス感染が原因で生じます。
治療は通常、液体窒素による凍結療法を行います。凍結療法が長期化し難治な場合は、外科的切除や炭酸ガスレーザーで切除したりします。また、最近ではIPL(光・赤外線治療機器)を照射して好結果を得たという報告もあります。漢方薬(ヨクイニン:はと麦茶の成分)を併用することもあります。
・水いぼ(伝染性軟属腫):主に小児期に認めるウイルス性皮膚感染症です。接触により毛包から感染します。単発あるいは多発性に径1~5mmほどの丘疹、小結節で常色か淡紅色の半球状に隆起した病変です。
治療は、自然治癒を待つか、専用の鉗子で内容物を摘出します。痛みを伴うため、積極的に治療するかどうかは議論のあるところです。
夏はもちろん、1年通してわきの多汗にお悩みの方、わきの多汗症はボトックスの注射で症状を軽くできます。
手掌、足底の多汗症も同じくボトックスの注射で改善することができます。
多汗症のボトックス注射は通常自費治療になります。
平成25年から、わきの多汗症のボトックス治療は、両側原発性重度腋窩多汗症の診断基準を満たせば健康保険が適用されるようになりました。両側左右対称性で、何らかの病気とか服用中の薬の副作用等でない原因不明の(原発性)、日常生活上、常にあるいは頻繁に支障がある(重度)、腋窩多汗症に適用されます。
わきがの治療は、ボトックスの注射で汗の量を減らすことでにおいも軽減できます。また、形成外科手術で原因となるアポクリン腺を切除することで症状を軽減できます。手術は皮弁法で行いますので手術痕が残ります。手術痕の目立つ程度は個人差があります。また手術後、わきの毛が生えなくなりますので、男性には勧めにくい治療法です。わきがの形成外科手術は健康保険が適用されます。
傷あと・妊娠線の治療
外傷等によって生じた肥厚性瘢痕や段差のある瘢痕は、形成外科的な手術で改善することができます。傷あとの形成外科手術は健康保険が適応されます(*自傷行為による傷の治療は自費になります)。形成外科手術によって平らに細くなった線状瘢痕は、フラクショナルレーザー(自費)治療を追加して行うとさらに傷を目立たなくすることが可能です。
妊娠線もフラクショナルレーザーで治療すると改善されます。
赤ら顔は毛細血管拡張症です。血中のヘモグロビンに吸収される波長を持つIPL・フォトフェイシャルで正常組織にダメージを与えずに赤色の毛細血管を選択的に破壊し治療します。
皮膚のダメージがないのでダウンタイム(治癒に要する期間)はありません。当日からお化粧は可能です。
酒さの赤みもIPL・フォトフェイシャルで治療を行うと改善しますが、酒さの症状が紅斑(赤み)だけでなく丘疹・膿疱、腫瘤・鼻瘤などを伴う場合は、その症状に応じた治療を併用します。
(*酒さ:顔面の鼻・頬などに紅斑、丘疹・膿疱、鼻瘤などの症状を生じる原因不明の慢性皮膚疾患)
また赤ら顔の原因が、脂漏性皮膚炎、尋常性ざ瘡(ニキビ)、酒さ様皮膚炎などの場合は、その原因治療を優先する場合があります。
目の下のくまと言ってもいくつかの原因があり、その原因に応じた治療を必要とします。
1)アトピー性やアレルギー性皮膚炎にともなう炎症性色素沈着:原因治療が優先します。擦るなどの機械的刺激を減らし、自然治癒を待ちます。場合により内服薬等を処方します。
2)下まぶたの加齢にともなうたるみ(baggy eyelid)によってその下に生じた影によるくま:たるみ(baggy eyelid)に対する外科的治療(眼窩脂肪除去術:経皮的・経結膜的、眼窩隔膜reset)を行い、くまの原因となるたるみを治す方法や、影の部分にフィラー(ヒアルロン酸)を注入して影を浅くするなどの治療を行います。
3)真皮メラノサイトーシス(後天性の真皮層メラニンが蓄積する色素病変):レーザー治療の適応となります。
何かと気になる顔・口周りやわきの下など体のムダ毛ですが、どのように処理されていますか。
ご家庭でのカミソリ、毛抜きや脱毛クリーム・ワックスなどは、毛穴が炎症を起こしたり、肌がかぶれたりと負担がかかり、また毛が再生してくるなどの問題点があります。
当院では、お肌に優しく、痛みも軽度で、より安全な、医療用IPL脱毛機を用いて永久脱毛を行っています。